活動拠点
町屋ラボ
水と土の芸術祭2018及び小須戸ARTプロジェクト2018をはじめとする小須戸地区での3つの市民プロジェクトの開催に向けて、空き家となっていた「桶屋」を借用し、美術家の南条嘉毅と協力して建物の清掃・風情ある町屋の建物を活かしながらDIYを行い、建物全体を美術作家の滞在拠点・制作拠点「町屋ラボ」として公開しました。また、「水と土の芸術祭2018」の終了後も建物の活用方法を引き続き検討し、その先のレジデンスやワークショップ会場、講演などの控え室、地域の方の祭り等簡単な作業場等として、様々な活用の可能性を探っていきます。
【設備】
電動スライド丸ノコ、卓上丸ノコ、インパクトドライバー、大工道具等の簡易な工具類、古道具をリメイクした作業台、ベッド、布団、電子レンジ、冷蔵庫、洗濯機、風呂 等
制作スペース(板間)
玄関入ってすぐ、6畳ほどの板間を作業スペースとしています。かつてはこの板間で「桶」が作られていたようです。
主に立体作品の制作スペースとして使用することを想定しています。
滞在スペース
6畳一間の和室を3畳の二間に改修し、作家用の滞在スペースを設けています。
ベッドや布団、デスクライトを設置し、オシャレな滞在スペースとしています。
工具類カウンター
「桶屋」がクリーニングの取次店を営んでいた名残であるカウンターに、工具類を収納・ディスプレイしています。
見せる収納スペースとして、玄関からも見渡せます。
浴室
町屋ラボには狭いですがタイル張りの浴室があり、お湯を沸かしてお風呂が利用できます。
制作スペース(畳)
板間に続く8畳の和室を改修した制作スペースです。藍色の畳がアクセントの一室です
襖を外して壁を立て、主に平面作品の制作に使用することを想定しています。
建物外観
小須戸橋から本町通りに入ってくるとすぐに目に入る町屋です。
小須戸の町屋には少ない平入の町屋で、1階の道路に面して雁木、木製ガラス戸、2階にはガラス雨戸やガラス戸袋が残ります。
町屋ギャラリー薩摩屋
小須戸商店街のほぼ中央に位置する薩摩屋は、長年小売の酒屋でありましたが、2005 年におしまれながらも閉店しました。閉店後は空き家となり、商店街の中心にありながらシャッターが閉まった状態でした。しかし、シャッターの奥には町屋ならではの風情ある空間が残っており、2009年度に実施された新潟市の「水と土の芸術祭」を機に、以前から進められていたまち歩きの際の休憩所、地域の歴史・文化の情報発信の拠点として整備されました。現在は別棟の倉庫部にトイレも整備され、地域活動の拠点として、また常時見学可能な小須戸の町屋のショールームとしても活用されています。
小須戸ARTプロジェクトの開催期間中は、作家の滞在制作スペースや町屋の風情を活かした展示スペースとして活用してきました。また、ギャラリーを会場にワークショップなども開催します。
【設備】
パイプ椅子(40)、長机(8)、スポットライト、電気ポット、冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、ガスコンロ、ガス瞬間湯沸器、電子レンジ、水洗トイレ、ファンヒーター、灯油ストーブ、扇風機、エアコン(1台、ギャラリー・居間のみ) 等
ギャラリー
かつて酒屋を営んでいた頃の店舗部分をギャラリーとして活用しています。
店舗営業時の内装は緑色で、展示に使いづらい部分があったことから、2015年に住民の手で天井・壁面の塗装、床の張り替えを行いました。
居間
ギャラリーの奥に続く居間は、町屋の風情を残した一室です。
神棚と仏壇が配置されており、上部は吹き抜けとなっています。これは、神棚の上を踏むことを避けるため、神棚の上に2階を作らなかったためです。
座敷(2階)
家の中で最も大事な部屋で、客をもてなす部屋とされています。そのため、町屋の中で最も豪華な部屋になっています。
薩摩屋では通りに面した二階が座敷となっており、喧嘩まつりの時期に客を招いて、祭の様子を二階から見せたこともあったそうです。
前庭
町屋には通風や採光のために庭が設けられています。京都では「坪庭」等と呼ばれます。
小須戸の町屋の庭は雪下ろしのスペースとして使われていたようで、他の町と比べてかなり広いため、庭としての見ごたえがあります。
通り土間・納屋
通り土間の奥、昔は物置などとして使われていた空間です。
現在も酒屋を営んでいた頃の名残や、その前の商いの様子、古い建具や小道具等が置かれており、また一部は昔のままの土間が残っています。
建物外観
小須戸の町屋の典型的な造りである「妻入り」の町屋で、2階には昔ながらの木製ガラス戸、1階の道路に面して雁木が残ります。